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2017年08月


雑誌記事やテレビを見ましたが、色々な立場のコメントもあります。何故かジャズの演奏でプロ・アマの演奏会に関わる機会が多く、仕事の始まりはプロアマ共演のジャズフェスティバルからキャリアを始めましたので、経験上のことを差しさわりない範囲でお話します。

<今回のプログラム>
https://setagaya-pt.jp/cms-wp/wp-content/uploads/2017/05/0dcb74af390af3156f933c695c2db511.pdf 
https://setagaya-pt.jp/performances/201708jazzforkids.html

実際にアマチュアのジャズイベント(幾つかの団体で共催し、実施するもの:中には11時ころから始まり、19時過ぎまでというのも珍しくありません)でもっともありがちなのは、ある程度腕に覚えのある団体が、意図的に持ち時間の尺を伸ばす、というのはざらに行われています。休憩時間に余裕を持たせて調整しますが、それでも終了時間が伸びることも少なくありません。

大原則として
1)自分が楽しむのがアマ、お客様を楽しませるのがプロ
これは音楽でもスポーツでも共通していますが、プロでも自分が楽しんでしまう、というのもないわけではありません。ただ実業ではない世界ですので、お客様あってのことですので、それなりの覚悟のいる世界でもあります。

2)有料のコンサートである以上、出演者が楽しむのでなく、お客様を楽しませる心を培うことも
中学生くらいからと思いますが、まずは「聴いていただき、ありがとうございます」という心を、早い段階から意識づけすることは必要だったのでは、と考えます。

3)ホール側の撤収時間は決まっている、”ケツカッチン”なことは周知すべき
開始時間は日曜の14時からです。ホールの利用時間は常識的に17時厳守で、16時少し過ぎには演奏会が終わる、という当日の進行は前もって詰める必要がありました。

ジャズフェスティバルなどで、プロの打合せを見た機会からしますと、それこそ前日と当日のみか、下手すれば当日に軽く合わせる、という場合も少なくありません。少なくとも進行に関しては、事前に共演している他のプロの演奏家の方(おそらくトレーナーも兼ねていると思いますが)と、共演の中学生と詰めておくのは必要でしょう。

ただ現実問題、こうしたことがしばしば起こりがちです。

1)もともと最後の曲とアンコールは事故が起きやすい
→プロでさえも、小節をカットする、割愛するといったすり合わせを行うため、本番中に会話のやり取りをする場合があります
2)即興は奏法ではある程度OKでも、尺を大幅に超すのはNG
→大人でも熱くなる方がいます。ジャズでもルールがあることは事前に周知するべきでしょう。

4)ジャンルの差はあれどプロの熱血指導は、大体同じ
→実業ではない厳しい芸の道です。アマでも楽しむ・嗜むだけでなく、ある程度人前でできるようになるアドアマになりますと、プロの厳しい指導を受けますし、ジュニアでも色々なジャンルに共通しているのは「子ども相手でも剛速球」な世界でもあります。

このブログの記事は的確なものではないかと感じます。

http://k-yahata.hatenablog.com/entry/2017/08/31/%E6%97%A5%E9%87%8E%E7%9A%93%E6%AD%A3%E5%85%90%E7%AB%A5%E8%99%90%E5%BE%85%EF%BC%88%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BF%EF%BC%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E5%85%83%E3%82%B8%E3%83%A3


吹奏楽での舞台撮影の場合、主に以下の点で注意を払っております。

・吹奏楽団によって、楽器の配置・音のバランスが異なるため、必ず確認を取る
・同じ曲でも編曲者が異なる場合がいくつかあるため、事前の確認
・曲によってソロの楽器が変更になる・楽章でカットする場合もあるため、その確認

といったことに注意を払います。クラシック音楽とは異なり、曲自体に柔軟さを残している場合が多いですので、演奏そのものにクリエイティブさを備えている場合が多いです。常に初心を忘れない、という意識の切り替えが求められる分野と考えております。



 


私事ですが、当初、縁あって撮り始めた舞台撮影はロックやビックバンドの演奏でした。こうした撮り方の場合、やはり事前に曲目が分かっており、台本を起こしたほうが良いのは言うまでもありませんが、
慣れてしまえば、舞台で演じている演者の癖や動きなどを観察しますと、フィーリングの範囲でもあるところまでは対応できるものと思います。

ビックバンドの場合、いまや歌番組のバックが少なくなりましたので、アマチュアや学生が主体となってしまいますが、曲名と実際のソロの順番は、事前に確認したほうが望ましいです。

緻密さを要しますのは、小編成でも吹奏楽の人数くらいになりますと、コンセプト・構成力・曲の流れなどを事前におさえる必要が出てきます。よく見かけますのは
・三脚に固定して据え置きのまま
・下手に動かすと、戻ってくるのが大変になる

ということですが、楽曲の流れを聞いて動くのではなく、事前にわかっていて対応する、ということが何よりも求められます。スチール撮影も基本は全く同一で、”音を従える”ことが何よりも求められます。


 


高校野球で応援歌として使っている楽曲も、大きな変化を遂げています。
強豪校ではオリジナルの曲が多いのですが、既存の曲で特徴がありますのは

・ねぶた節
ジョックロック
・サスケ
・MISSION SURVIVOR

NIGHT OF FIREのアレンジ版
西部警察PARTII
サンバ・デ・ジャネイロ
SHOW TIMEのアレンジ
・オペラ座の怪人
・ダイナミック琉球
・グリーンホーネット

などといった、インパクトを狙う曲があったのが印象的でした。
また今や定番の印象も強い

・アフリカンシンフォニー
オーラ・リー
・オブラディ・オブラダ

オーメンズ・オブ・ラブ
・エル・クンバンチェロ
・コパカバーナ

・あまちゃんのテーマ曲

といった定番曲も数多く使われており、曲の多様化やレパートリーが幅広くなっていることがうかがうことができます。夏になりますと、動画投稿サイトで再生される曲目が変わり、アフリカンシンフォニーやダイナミック琉球が急激に上昇しましたが、練習用に事前に予習していることがうかがえます。


 ちょうどテレビでドキュメンタリーがあり、内容をチェックしておりました。

ザ・ドキュメンタリー「夏の甲子園!吹奏楽の熱い闘い2017~応援の舞台ウラ密着50日」
http://tv.so-net.ne.jp/schedule/200151201708241900.action?originChartId=1218899

名門の吹奏楽部では、高校野球の時期は非常に多忙になることは珍しくありません。野球の応援演奏と、吹奏楽コンクールの県予選の時期が
かぶってしまうためです。

部員が100名以上いるところですと、コンクール出場と応援で同時に対応することも可能ですが、全国大会出場の著名校に限られてしまいます。
多くは、忙しい中両方をトライしていく場合が多く、学校によってはこの2つの同時進行+秋の演奏会もしくは学園祭への対応と、中にはマーチングバンドの準備、というところもあります。

演奏が上手くなる面も当然ながらありますが、中には生徒の判断で優先順位を決めたり、エントリーを一部断念するなどのところもあると聞いています。選択が難しいですが、よりうまくなる形で臨んでほしいと思う限りです。

本来はコンサートホールやイベント会場は、休みの日に気晴らしや遊びで行くところです。今にして思いますと、業務としてとらえますと、やり直しが許されない・不測の事態が生じても代わりの手段があるように色々な手段を講じますが、色々と考えることが生じます。

業務で見ますと同じコンサートホールでも見る景色は変わってきますので、常にこうした注意を払う必要があると認識しています。

・2階席・3階席のように見晴らしの良いホール
本来は見て楽しむものですが、業務ですと落下防止の策を講じますし、ホールによっては一番前の席や、階段でモノが転がるなど、NG指定を受けるところがありますので、事前にすり合わせる必要があります。

・電源の位置
新しいホールは随所に見かけますが、築年数を経ましたホールの場合は数が少ない、また変換アダプタの多い場合がありますので、事前に打合せが欠かせません。

・壁の存在
音がゆがむ場合がありますので、場所の選定などを考える必要があります。

・ラインの取得
場所とチャンネルを出す確認・またホールによってはケーブルを回す必要があります。

普通にホールに下見に行きます際にも、こうしたことに留意する必要がありますので、見る景色が変わってしまいます。

技術的なハードルが下がりましたため、業務用の機材を入手しながら試行錯誤を繰り返してきましたが、今まで動画投稿サイトに殆ど投稿しておりませんでした、アマチュアの方の発表会やジャズフェスティバルについて触れたいと考えております。

・昨今総務省や自治体などの街おこしの助成金などで、地域振興を兼ねたイベント等が増えております。
・一時期はライブストリーミングが流行しましたが、ライブでは面白くても後で試聴するのは画質や音で難しい面があり、流行すたりがあるジャンルもあります。
・参加者の知人が個人的に撮るのと、主催者様が記録用に残すのと、二分される傾向にあります。
・世に出すわけには参りませんが、一般的な傾向と致しまして、実際にご参加なさいます団体様は年に数回しか発表する機会がない、また普段のお仕事の合間に行われますので、その熱意を残す。

ということに留意して進めてまいりました。実際に過去に主催者様との許諾を得まして参りましたイベントなどは、準備と撤収を含めますと朝から夕方までぶっ通しで、食事を摂る時間がままならない、ということも少なくありませんが、長時間に渡り安定した品質を残す、ということは、今日にも生かされていると考えます。




 


当初は週末に行っておりました舞台撮影ですが、社会的な背景や技術革新などがあり、大きく映像のほうに舵を切る方向になりました。

要因として大きいのは

・写真と映像の境目が急激になくなってきた
・特に映像のほうで完全なファイルベースでの機材が増えるようになり、フルデジタルで処理できるようになった
・それに合わせて機材や録音機材の価格が大きく下がってきた
・ 動画投稿サイトの成長期と重なった

ということが大きいように思います。今まで舞台撮影と言いますと、古くからの撮り方では
・肩掛けカメラ(ENG)2台もしくは3台で
・まんべんなく撮る

という方法が主体でしたが、海外から色々な表現の方法が入ってきて、新たな作風などがトライしやすくなってきたことが大きいです。

動画投稿サイトと流行りのキーワードに関して


夏休みの時期は、動画投稿サイトのアクセスが全体的に伸びるときです。かつて動画投稿サイトで視聴するコンテンツの多くは、音楽・アニメ・ドラマと言われていました。

ところが昨今では、テレビの視聴時間よりも特に若年層を中心にゲーム実況・お笑い・コスメなどが増えておりますので、その比重や内容が大きく変わり、音楽に関する日本国内全体で検索されるキーワードの状況を、ベンチマーキングのソフトで調べてみました。

意外と流行のものが入っておらず、「初音ミク」など長くヒットしているものが多い印象でしたが、上位100位の中で、吹奏楽が50数番目に入っている状況でした。嗜好が細分化され、かつてのように爆発的にアクセスする時代ではないのかもしれません。


順位-1
順位-2


クラシック音楽の演奏は、特にプロの場合、演奏収入自体が興行として非常に重要ですし、録音物や映像なども、品質が担保できるものは販売していきますので、当然ながら録音や撮影は禁止されています。
(例外は例えば競馬場のファンファーレを行うNHK交響楽団の吹奏楽メンバーくらいでしょう。ただ年間でそうした機会はかなり珍しいです)
 
権利関係が生じずにスチール・映像ともに舞台撮影を行う機会を得ましたのは、アメリカ軍の音楽隊や自衛隊の音楽隊などです。役割としては、より多くの方に広める、という任務がありますことから、特にスチール撮影の場合は、フラッシュやシャッター音などで迷惑をかけなければOK、という状況もあり、当初は消音ケースに入れたスチールを撮り始めていました。

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