日野皓正氏の演奏会の一件に思う
雑誌記事やテレビを見ましたが、色々な立場のコメントもあります。何故かジャズの演奏でプロ・アマの演奏会に関わる機会が多く、仕事の始まりはプロアマ共演のジャズフェスティバルからキャリアを始めましたので、経験上のことを差しさわりない範囲でお話します。
<今回のプログラム>
https://setagaya-pt.jp/cms-wp/wp-content/uploads/2017/05/0dcb74af390af3156f933c695c2db511.pdf
https://setagaya-pt.jp/performances/201708jazzforkids.html
実際にアマチュアのジャズイベント(幾つかの団体で共催し、実施するもの:中には11時ころから始まり、19時過ぎまでというのも珍しくありません)でもっともありがちなのは、ある程度腕に覚えのある団体が、意図的に持ち時間の尺を伸ばす、というのはざらに行われています。休憩時間に余裕を持たせて調整しますが、それでも終了時間が伸びることも少なくありません。
大原則として
1)自分が楽しむのがアマ、お客様を楽しませるのがプロ
これは音楽でもスポーツでも共通していますが、プロでも自分が楽しんでしまう、というのもないわけではありません。ただ実業ではない世界ですので、お客様あってのことですので、それなりの覚悟のいる世界でもあります。
2)有料のコンサートである以上、出演者が楽しむのでなく、お客様を楽しませる心を培うことも
中学生くらいからと思いますが、まずは「聴いていただき、ありがとうございます」という心を、早い段階から意識づけすることは必要だったのでは、と考えます。
3)ホール側の撤収時間は決まっている、”ケツカッチン”なことは周知すべき
開始時間は日曜の14時からです。ホールの利用時間は常識的に17時厳守で、16時少し過ぎには演奏会が終わる、という当日の進行は前もって詰める必要がありました。
ジャズフェスティバルなどで、プロの打合せを見た機会からしますと、それこそ前日と当日のみか、下手すれば当日に軽く合わせる、という場合も少なくありません。少なくとも進行に関しては、事前に共演している他のプロの演奏家の方(おそらくトレーナーも兼ねていると思いますが)と、共演の中学生と詰めておくのは必要でしょう。
ただ現実問題、こうしたことがしばしば起こりがちです。
1)もともと最後の曲とアンコールは事故が起きやすい
→プロでさえも、小節をカットする、割愛するといったすり合わせを行うため、本番中に会話のやり取りをする場合があります
2)即興は奏法ではある程度OKでも、尺を大幅に超すのはNG
→大人でも熱くなる方がいます。ジャズでもルールがあることは事前に周知するべきでしょう。
4)ジャンルの差はあれどプロの熱血指導は、大体同じ
→実業ではない厳しい芸の道です。アマでも楽しむ・嗜むだけでなく、ある程度人前でできるようになるアドアマになりますと、プロの厳しい指導を受けますし、ジュニアでも色々なジャンルに共通しているのは「子ども相手でも剛速球」な世界でもあります。
このブログの記事は的確なものではないかと感じます。
http://k-yahata.hatenablog.com/entry/2017/08/31/%E6%97%A5%E9%87%8E%E7%9A%93%E6%AD%A3%E5%85%90%E7%AB%A5%E8%99%90%E5%BE%85%EF%BC%88%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BF%EF%BC%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E5%85%83%E3%82%B8%E3%83%A3